オカリナについて
2024年10月17日
2024年11月5日
オカリナは、今から174年ほど前(1850年頃)、イタリアのジュゼッペ・ドナーティ(Giuseppe Donati)さんという方が考案された、陶器でできた楽器です。イタリア語の「鵞鳥(オカ=oca)」と、「可愛い(カリーナ=carina)」という言葉を組み合わせて「オカリーナ」と名付けられました。この本では、日本で一般的に呼ばれている「オカリナ」と表記しています。
ヨーロッパでは、多くの地域で、赤茶色をした粘土を固めて焼いて、建物の壁のレンガにしたり、舗道に敷き詰めたりする風習、文化があります。この粘土や焼き物をイタリア語で「テラコッタ(terra cotta)」といいます。日本でもレンガや植木鉢などに使われているので、目にする機会はあると思います。
オカリナは、テラコッタで中を空洞にして笛を作り、10個ほどの穴を開けて素焼きにしたもので、今でもイタリアではテラコッタでオカリナを作っています。
(参考リンク)https://ocarina-house.com/ocarina/menaglio/index.html
ドナーティさんがオカリナを考案するより前にも、土や陶器で作られた笛、「土笛(つちぶえ)」は世界中にありました。玩具や祭器(さいき)としての土笛の起源は諸説あり、紀元前のはるか前に中南米で生まれ、世界中に広まったのではないかという説が最も有力です。
日本にも鳩笛というものがあります。おそらく土笛は、世界のどこか1箇所だけで生まれたのではなく、自然の中で生まれた風の音や波の音、鳥の鳴き声をお手本に、石や木や土などの材料でさまざまな場所で、自然に生まれたのではないでしょうか。
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