鼻で吸うか、口で吸うか
結論から言えば「吸いやすい方で吸う。」でいいと、ぼくは思っています。
ただし、多くの指導者の方が「基本的には口で吸う。」と言っていますし、ぼくもクラリネットをそのように習いました。
「基本的」に、生物として呼吸するときの基本は、口で吸うのではなくて、「鼻で吸う。」方が自然です。
ただ、鼻は口に比べて、不器用です。鼻には唇に代わるものも、舌に代わるものもなく、息を口ほどには、うまくコントロールできません。「口で吸う。」というのは、息を吸うときも器用な口でやった方が、結果的にスムースに演奏できるといった理由なのかも知れません。
それに、鼻で吸うと、すばやく、たっぷりと吸えないんじゃないかという意見もあります。なるほど一理あります。
鼻で息を吸うときというのは、身体を使って肺をふくらませるようにして、息を吸うと思います。このとき、お腹が肺に押し出されてふくらみます。この肺、お腹の順にふくらませるというコツをつかめば、すばやく、多めに息を吸うこともできます。
それに対して、口で息を吸うときは、喉を広げて「はっ」と音を立てて息を吸うのです。のどに手を当てて息を吸ってみると、確かに息を吸うときに「ノドボトケ」が上下します。そして、これは無意識にやっていることですが、鼻の奥にある口蓋(ふた)を開けて、気管の方に息が入るようにします。これは、食べ物や飲み物が口に入っているときは、気管が開かないようにするために、口の奥、舌の根元にある筋肉を使います。
口はその他に、楽器の吹口(ふきくち)を咥えています。息を吸うたびに唇から楽器が離れてしまったり、グラグラしないように支えておく必要があります。口で息を吸う場合は、口を開けるというより、左右の口角を緩めたときにできた隙間から息を吸います。このときに無理やり口角を広げる必要はありません。
息を吸って吐く練習
いずれにしても、最低限の動きで息を吸う練習をする必要があります。長い音を途中で2つに区切って練習するといいでしょう。これは、楽器を持たなくても、練習ができます。口で吸うときは、唇に指を当てて口角を緩めて吸う練習をしてみてください。
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