少しもむずかしくない音楽の本

ぼくがこの本を作ることにした理由

これまでずっと、長い人だと20年以上前から、ぼくが直接皆さんのもとに伺って、皆さんのお話や音を聞いて、自分でも音を出しながら、指導というか、音楽の楽しさを伝えるようにしてきました。

でも、ある日病気になったことで、今まで通りのレッスンを続けることが、いずれは難しくなる日が、いつか来るんだということがわかりました。

それなら、今の時点で「ぼくが、まず伝えたいことを本にまとめておこう。」と思いました。オカリナやクラリネット、ギターなどに限らず、楽器が初めての方、ブランクがある方が、手にとって安心して学べる助けになる、そういう本が、現実には書店にも楽器店にも、あまり並んでいないような気がしています。

この本を読んでいただければ、他の本も一歩踏み込んで読むことができる、そんな本を目指したいと思います。

ブログ(記事)は自由に書きます

音を長く吹く練習(ロングトーン)

背筋はピンと伸ばさない

ここでは、呼吸のための姿勢について説明します。

背筋を伸ばすのが、美しい、いい姿勢とは限りません。背筋をピンと伸ばそうとすると、身体が緊張します。思わず息を止めそうになりませんか。身体が緊張をすると、息が苦しくなります。楽な呼吸をするために、前後左右に傾いたり、猫背にならない程度に力をゆるめましょう。

椅子に座るとき

自然に座ったときに、足裏がかかとまでつけられる、自分の背丈にあった椅子を準備してください。高さが調整できないときは、クッションや足台などで調整しましょう。

椅子の背にもたれたり、深く腰掛けると、背中や太ももが固定されてしまうので、浅い呼吸になって、少し深い呼吸をしようとしてもできません。お尻を椅子の上に乗せ、日本人の体型でしたら、骨盤を後ろに倒して、背筋を少しゆるめてください。その姿勢でラジオ体操のような手を上に回しながら、深呼吸してみましょう。上体がじゅうぶんにリラックスできていることを確かめましょう。肩から順に、肘、手首、指先までリラックスさせましょう。膝は握りこぶしが入る程度に開いてください。スカートをはいているときなど、膝を開きづらいときは、足を前後に開いてもいいでしょう。

立って吹くとき

カラダ全体が緊張していないか、たしかめるため、腕をブラブラしてみましょう。軽く屈伸運動をするのもいいでしょう。足首は指先が前を向くように軽く開きます。おヘソを中心にして、重心を感じましょう。首や肩が左右に傾いていないか、注意しましょう。

首を立てて前を向く

楽譜が目の前にあると、前かがみになり、首が前に倒れ、顔ごと下を向きがちになります。これはスマホ、タブレットにも共通のクセになりがちなので、注意してください。まっすぐ前を見るような姿勢で首を起こしてください。楽譜が視線より下にあることが多いと思います。その時でも、目だけを下に向けるようにしましょう。視力を矯正することが必要があって、可能なときは、メガネやコンタクトレンズを利用して工夫しましょう。

指先は握る方向に曲がる

オカリナでも、クラリネットでもですが、指穴のある楽器は、指先の指紋のある柔らかい部分で、穴をふさぎます(例外はあります)。指紋の渦を見てみると、だいたいがまん丸ではなくて「だ円」です。それに対して、指穴がまん丸なのは、多少指の向きが変わっても、隙間なく、きちんと塞がるようになっているからです。

指穴を押さえるのは、この指先の柔らかい指紋のある部分を使います。ギューッと力を込めて押さえるのではなく、指穴の周囲の縁を触るような感覚で軽く押さえるのがいいでしょう。指穴から指を離したときに、クッキリと指穴のあとがついていませんか。指先の色が変わるほど、力を入れていないでしょうか。

この項目のタイトルを「指先は握る方向に曲がる」と書いたのは、握る方向を無視して、指先だけで押さえている方が多く見られるためです。具体的に言うと、親指以外の指先の曲がる方向は、いつも親指の付け根に向かって曲がり、それぞれの関節が同じくらいの柔らかさで曲がるということです。

★ここに、いい例、悪い例の写真を入れたい

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