もし人間がネコくらいの大きさだったなら
2024年12月25日
人間は、生まれたばかりの赤ちゃんでも3,000グラムくらいあることを考えると、生まれたときから既に大人のネコくらいの大きさはあることになります。もし人間がこれくらいの大きさで大人になっていたら、ネコですら猛獣です。本気で戦ったらとても太刀打ちできません。
どうしたわけか、ある夜、自分の体が小さくなってネコくらいの大きさになった夢を見ました。目が覚めてからもそのイメージがなかなか抜けません。
まるでフランツ・カフカの『変身』の主人公、目が覚めると毒虫になったグレゴール・ザムザのようです。
一緒に寝ていたネコのミヤウはまだ1歳です。ぼくが目を開けると、ミヤウがぼくの顔を覗き込んでいました。大きな目が光っていました。ヒゲの1本1本が太い針金のようです。顔だけじゃなくて、思っていた以上に全身ヒゲだらけで、まるでバリアです。牙も、前足の爪も鋼のようです。
びっくりしたのは、天井の高さです。手が届かないどころか、まるで雲の上を見上げるようでした。起き上がろうにも、ふかふかのベッドに足を取られてなかなか起き上がれません。それだけでなく、ミヤウが動くたびに起き上がろうとしたぼくの体はベッドに吸い込まれてしまいます。ミヤウに声をかけようとするのですが、いつものように声が出せません。
これは、書きかけのショートショートです。人間が傲慢なのは、その大きさにあるんじゃないかなとふと思って書き始めました。人間が小さくなれば、うんと小さな虫にも表情が見えるのかも知れません。人間社会に必要なものは他の生き物にもっと目を向けることなんじゃないかなと思います。